カウンセリング 相談ルーム KNH心療所

カウンセラーコラム

このコラムは当心療所カウンセラー山名和樹が参加しているチャットカウンセリングサイト、ココロ夢で連載しているコラムを転載した物です。

バックナンバー

第一回 初めましてカウンセラーの山名和樹です

第二回 僕がカウンセラーを目指した理由

第三回 アメリカの心理学事情

第四回 日米スクールカウンセラー相違

第五回 学び多き体験

第六回 話をよく聞く事と、話を聞くだけの事と

第七回保険の効く医療と効かない医療

第八回 日米資格・免許制度相違

第九回 カウンセラー養成校

第十回 催眠療法

第十一回 閉鎖的な学校教育

第十二回 カウンセリングの成功と失敗

第十三回 カウンセラーとは?

第十四回 特別学級

第十五回 たった1つの言葉

第十六回 年齢とカウンセリング

第十七回 カウンセリングは科学

第十八回 自己催眠

第十九回 集団療法

第二十回 イメージ療法

第二十一回 ストレスマネージメント

第二十二回 喧嘩のメカニズム

第二十三回 緊張から解放される方法

第二十四回 いじめへのアプローチ

第二十五回 ファンタジー症候群

第二十六回 カウンセリングで花粉症を治す方法

第二十七回 頑張れと言ってはいけない!?(うつ病のお話)

第二十八回 ストレス撃退法

第二十九回 メンタル強化

第三十回 交友関係の広げ方

第三十三回 ソーシャルスキルトレーニング (SST)

こんにちはカウンセラーの山名です。今回のコラムでは最近よく耳にする言葉、ソーシャルスキルトレーニング (SST) についてお話したいと思います。

SSTとは私生活をより良く生きる為に必要とされる能力を訓練するプログラムの事で、現在では会社や学校、そして各種グループ活動で頻繁に行われています。内容は対人関係の作り方、コミュニケーション法、トラブル解決法などで従来は課外活動や集団生活等を通して自然に身につけさせよう とし ていた能力ですが、現在ではもっとも効率よく誰でも簡単に学べるように体系化され、その体系化されたものをSSTと呼称するようになりました。

現在、僕は個人カウンセラー とし て活動している傍ら中学校相談員の仕事もしているのですが、そこで特別学級では毎週、通常学級では学年からの要請があった時にゲスト講師 とし てSSTを行っています。生徒達の反応は上々で最初は今まで彼らが経験してきた授業とまったく違う物である為に多少の戸惑いを見せますが、最後には皆スキルを身につける事の楽しさを感じて終わり、毎回必ず何人かの生徒からは「今度は何時やるの?」という嬉しい言葉もかけてもらえます。

今回はSSTの一つ「トラブル解決法」を例 とし てご紹介しましょう。

皆さん私生活の中で様々なトラブルを抱える事と思います。その時はどのように解決していますか?時間を置く、友達に助けを求める、その時思いついた事を行う、などなど色々とあるとは思いますが、もっとも効率の良い解決法は以下の通りです。

1.問題を明確にする

2.問題のゴールを設定する (ゴールは現実的でなければならない)

3.ゴールに辿りつく為の方法を書き出す (3つ以上が好ましい)

4.その方法を実行する事により起こる事をそれぞれ予想する

5.予想を見てゴールに辿りつくのに近い方法順に順位づけをする

6.順位づけの 1 位から実行してみる

7.もしもその方法が上手く行かなかった場合は他の方法を試してみる

SSTはやればやる程効果がありますが、残念ながらその認知度、そしてそれを行える人材がまだまだ不足している為にカリキュラム とし て組んで頻繁に回数を行っている、SSTを専門で扱っているという所はまだまだ少ないようです。

SSTは若い世代からはじめると効果的で、対人恐怖、いじめ、不登校、非行、その他人間関係トラブルの予防となります。今回ご紹介したSSTは学校や集団で行うタイプの物でしたが、家庭や個人を相手にしたSSTもあります。また、医療的なSSTもあり、認知症、アスペルガ―症候群、自閉症等に有効なタイプのものもあります。現在ではまだまだ数は少ないですがSSTに関する講演会や講習会も各地で開かれておりますのでご興味のある方はぜひ受講されてみてはいかがでしょうか?もちろん、僕の所でもSSTを個別で行ったり、資料を提供したり、方法を教えたりという事も出来ますので、ぜひご連絡下さい。

ココロ夢カウンセラー

山名和樹

第三十二回 日本的カウンセリングの軋轢

こんにちはカウンセラーの山名です。

最近、先輩カウンセラーや大学教授と会う機会が多いのですが、彼らに口をそろえて言われる事は「アメリカ式を導入するのは結構な事だけど、日本には日本に合ったカウンセリングがあるから。」自分自身、そんなにアメリカ式にこだわっている分けではないのですが、自分が勉強してきた事を素直に行うとどうしてもそっちよりになってしまいます。

しかしながら、果たして日本独自のカウンセリングというのは存在するのでしょうか?はたまた存在する事が出来るのでしょうか?

まず、日本が独自の路線でカウンセリングを発展させるには経験が浅すぎるように感じます。今現在、大学や大学院で教えている教授のほとんどがカウンセラーではなく相談員 とし て働いていた人間であり、心理療法を使いカウンセリングを行っていたというよりも人生相談のアドバイスを送っていた人間達です。それが、時代の流れに合わせ「自分達の行為はカウンセリングであった。」と言っているわけです。つまり、日本で実際にカウンセリングを行い始めたのはここ 10 数年の事なのです。そのような短い期間の間に文化的形態を確立するのは不可能な事であり、日本は今現在、カウンセリングとは何なのかという事を学んでいる段階であるといえます。

僕自身、日本の臨床現場でカウンセラーの実践を目の当たりにする度に愕然とする事は 1 度や 2 度ではありません。大抵のカウンセラーは「うん、うん。」と頷き「頑張ろうよ!」と励まし、「辛かったら泣いてみようよ。」と簡易的なアドバイスを送る事に終始します。つまり、日本の多くのカウンセラーはカウンセリングを学んでいない人間よりも少しだけ話を辛抱強く聞く事が出来、辛さを共有したいという情熱を持った人間達である事以上ではなく、問題解決のノウハウを持つ分野プロではなく、良き友であり続けようとする姿勢をもつ相談員なのです。

そもそも日本にカウンセラーは本当に存在しているのでしょうか?日本にはカウンセラーの正式な資格がありません。「臨床心理士がそうなるのでは?」という話がありますが、実際にそれが現実化するのはもっと先になるでしょうし、さまざまな弊害があります。今現在、日本でカウンセラー とし て働いている大半は民間団体等が独自で発行した資格を持つ人間達です。ある人間はカウンセラーになるのに 3 年ほどの教育を受けたのに、ある人間は半年程度。果たしてそのような個人個人の教育歴や能力が極端に違う分野をプロがいる領域と呼べるのでしょうか?プロのいる分野というのはある一定の基準があり、その分野にいる全ての人間がそれを満たしているべきであると考えます。

つまり、自分を含め、日本で働くカウンセラーはまだ相談員の領域を出ていなく、独自の文化発展よりも既に医療分野としてカウンセリングが確立している諸外国から学ぶべき事がまだまだ多いと思います。相談員がカウンセラーになった時、初めて日本独自のカウンセリングという議論を始める事ができるのではないでしょうか?

ココロ夢カウンセラー

山名和樹

第三十一回 ユーモア

こんにちはカウンセラーの山名です。

今回のコラムでは日本人が苦手 とし ているユーモアについて取り上げたいと思います。

僕がカウンセリング学部の学生だった頃に繰り返し学んだ事、それは傾聴でも各種心理療法でもなく「ユーモアを忘れるな。」という事でした。クライエントは自身の問題について何年間も悩み続け、そして最後のオアシス とし てカウンセリングルームを訪ねてきます。そのカウンセリングルームでも問題を穿り返し、一緒に「辛い・辛い」と言っていてはクライエントの気も萎えてしまうし、解決なんて程遠い話となってしまいます。また、カウンセラーと言えど人間です。辛い話を辛いまま気持ちに留めておいてはいずれ精神が壊れてしまう事でしょう(辛い話を笑い飛ばせと言っているわけではありません)。

クライエントがカウンセリングルームを訪れる目的。それは単に「問題を解決し、明るい人生を送りたい。」という事です。その為には話しを受ける側が何よりも、問題解決の為の自信を示し、そして明るさを提供する側でなければというのは論理的に至極当然の事と言えるでしょう。

前置きが長くなりましたが、私生活においてもこのユーモアというのを忘れている方が大勢います。友達の前では笑い話ができるのに、他の人の前や緊張の場面においてそれを上手く使えていない。その為に自分自身を深く追い詰め、失敗を繰り返したり、また対人関係をこじれさせたりしてしまいます。

ユーモアは自分自身だけでなく他人を守る道具ともなりえます。例えば、相手がふ とし た拍子に自身に対して心からではない文句等を言ってしまった時にお互い黙ってしまうと場の雰囲気が悪くなり、関係の悪化につながります。そんな時には「自分は気にしていないよ。」と言うよりもユーモアを使い笑いを誘った方がより親密な関係が確立していく事でしょう。

ビジネスの場面において日本では会議中にユーモアを使うのは良い事とはされていませんが、始まる前に社交辞令程度でユーモアを使い場の雰囲気を和らげ、また自身の気持ちもリラックスしてから会議に入った方がよりビジネスチャンスは広がる事となるでしょう。

家庭内においても離婚の原因の一つであるコミュニケーション不足はユーモアを上手く使う事により解決していく事となります。

確かに日本で生まれ育った人に「ユーモアを上手く使え!」というのは酷な話と言えます。ユーモアもセンスですから明日・明後日で出来る事ではありません。しかし、欧米人は皆生まれながらセンスをもっているのでしょうか?それは違います。ユーモアが使えなければ仕事が上手く運べないと言われたらあなたはどうしますか?恐らくテレビや人の会話などから学び取ろうという姿勢を持ち、練習する事でしょう。つまり日本人と欧米人の違いは気質ではなく姿勢です。ユーモアとはそれが便利なものだと気づき、そしてそれを学ぼうとすれば誰でも手に入れる事が出来る会話テクニックの一つなのです。

ココロ夢カウンセラー

山名和樹

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