第十七回 カウンセリングは科学

こんにちはカウンセラーの山名です。

「カウンセリングは科学なのです。」こう言うと驚かれる方が非常に多いです。しかし、よくよく考えてみるとカウンセリングは心理学をベースとしていて、その心理学が科学である以上、カウンセリングも科学という事はとても自然な事です。

それでは何の科学なのか?それは一言で言うと「思考と行動の変化を探求している科学」なのだと思います。世の中には数多くの心理療法と呼ばれる物があり、カウンセラーはそれらとさまざまな質問や言葉のテクニックを使いながら、クライエントを問題解決へと導いていきます。それは単にクライエントの思考と行動に何かしらの変化を起こす事によって、従来の考え方、行動により起こり続けていた問題からクライエントを開放する事を究極の目的として行っているのです。これをよく「気づき」とか「新しい自分の発見」等と言ったりしますよね。

カウンセリングが科学である以上、気づきを起こす為に様々な考えや理論が存在します。例えば、科学的な研究から確立された認知・行動療法と呼ばれるもの以外にも、このコラムで何度か取り上げた来談者中心療法も「カウンセラーがクライエントに共感的理解等を示す事を続ければクライエントは自分の中で問題解決の手段を発見する事が出来る。」という理論から成り立ち、科学的な実験結果により立証し確立されたものです。

カウンセリングが科学だという事を否定される方はクライエントだけではなく、カウンセラーの中にも数多くいます。カウンセリングとは心と心の通い合いであり、クライエントと悩みを共有し共存していく事だと。確かに、その考えはカウンセリングという特殊分野の勉強をしていない相談関係の間では正しいと言えます。しかし、その理論、技術、治癒法を学びそれを使い、クライエントと接している人間達は自分達が学んだ事は元々科学の分野において発見、発展された技術である事から、カウンセリング科学から目を背けてはならない事だと思います。

どうして自分が科学者である事に目を背けない事が大切なのでしょうか?それは、そのような自覚を持つ事により、自分が行う療法に対して選択肢を広げる事ができるからです。科学の世界の発展は実に目まぐるしいものがあります。昨日まで最大の効果を挙げていた事が今日にはそれよりも効果の高い事が発見される。まだ、分野として成り立ってから 300 年程度しか経っていない心理の世界では、その変動は他のどの分野よりも活発です。自分が教育を受けたカウンセラーとなったのならば相談者関係だった頃の記憶に別れを告げ、科学者、そして治療者としての立場を確立し、保ち続けるべきだと思います。

ココロ夢カウンセラー

山名和樹

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