第二十五回 ファンタジー症候群

こんにちは、カウンセラーの山名です。

今回のコラムではアニメや映画のキャラクターに自分の立場や考えを置き換え、その為、私生活に支障が出るちょっと変わった傾向についてお話します。

まず初めに断っておかなければならない事はこのような症候群・病気は現実には存在していません。この「ファンタジー症候群」も僕が勝手に名づけました。しかし、この名前の下に接していくしか行動や言動が理解し難いクライエントは現実にいるのです。

彼らに一環して言える事。それはまず始めにあるアニメや映画を特殊的に崇拝している傾向があります。「何故好きなのか?」と尋ねれば、通常は「面白いから。」等という答えが返ってきそうですが、彼らの場合「そのアニメ・映画こそ現実の世界を上手く表しているから。」とか「自分の考え(経験)にとても酷似しているから。」と現実と空想世界の切り離しが混乱していると思われる答えが返ってくる傾向があります。

次にそのアニメや映画のキャラクターに自分を置き換えます。そのキャラクターが持つ考えや行動、そして口癖、服装まで真似て何時の間にかそれが本当の自分であると錯覚します。

最後に自分や周りの環境を多少強引にでもそのアニメや映画の世界に置き換える傾向があります。例えば悪い事をして親にしかられたのに、あるアニメの影響で「自分がこの世に必要ないから、親はこんな事を言うんだ。」と逸脱した解釈をしたり、ある映画の影響で「本当の自分を理解する人なんていない。」という考えを持つ人もいます。

世の中には俗に言う「なりきり」を趣味にしている人がいますが、その方達がこの症状を持っているとはいえません。趣味は趣味です。問題と定義できる人達は現実と空想の世界が混乱している事。そして、それにより自分や他人に危害を加える事があるという事です。自殺願望の強いクライエントが紐解いていけば、あるアニメの主人公がきっかけだったというのは稀にある事です。

彼らへの接し方として、まずは丁寧に話を聞いてあげる(傾聴等と言ったりします)事です。そこで、叱ったり、怒ったりするとさらに空想の世界にはまっていく原因となります。丁寧に話しを聴き、現実と空想の世界の切り離しを行っていきます。次ぎに「その考えは〜というアニメの主人公も同じ事を言っていたよね。」と指摘してあげる事も大事です。それにより、多くの方は「そうそう、そのアニメは共感する部分がある。(本当はアニメにより自分が影響を受けている)」と返してくるでしょうが、指摘してあげる事で次の「そのアニメや映画のポジティブな面の話をしていく」に繋げやすくなります。どのアニメも映画もほとんどは現実世界に関してポジティブなメッセージを送っている場合が多いです。しかし、このファンタジー症候群の方たちの多くはマイナスの面ばかりを強調して捕らえています。通常に言っては中々受け入れてくれない空想世界の人達も自分が影響を受けたアニメから話を進めていくと以外と素直に受け入れてくれる場合が多いです。

空想とは人間が持つ非常に優れた能力の一つですが、その優秀さ上に与える影響も大きいです。現実は空想よりも大変な部分が多いですが、空想にはない「やりがい」というものがあります。自分が努力したものが返ってくるという事は空想にはない現実世界の素晴らしい面ですよね。ファンタジーの世界の方もぜひ現実の良い面にも目をしっかりと向けてくださいね。

ココロ夢カウンセラー

山名和樹

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