第三回 アメリカの心理学事情

日本では心理学というとまだまだ根付いていない感がありますが、アメリカの大学ではビジネス専攻に次ぐほどの人気専攻分野です。高校から心理学のクラスを取る事ができ、僕がインターンをしていた時には「大学に入ったら心理学を専攻するんだ!」と言っている高校生が大勢いました。

アメリカでは入学する前に専攻を決める必要はありません。入学した後にその分野が要求している一定基準を満たせば自分が望む学部に誰でも入る事が出来ます(例えば、心理の基礎クラスを C 以上の成績を取っていて、英語の基礎クラスも C 以上の成績で終わっている等)。ですので、日本で心理学を専攻していたと僕が言うと「頭良い〜」等と周りは反応してくれますが、アメリカでは実は誰でも専攻できるんです(照笑)。ただ、よく言われている通りアメリカの大学を卒業するのは大変で、心理学はその中でも読む量が多い事で有名です。一日100ページ読むなんて普通で、テストは月に一回あり範囲は5単元程度。テスト前は睡眠時間大幅カットでひーひー言いながら勉強していました。余談ですが、医学部の学生は10ページ表裏にびっしりかかれた医学用語を毎週覚えなければならなく、テストも毎週あるそうです。それに比べれば僕の勉強なんてまだぬるいですね。

アメリカの大学は学部の変更もある程度自由に出来ます。僕は元々犯罪心理に興味があったので、専攻は犯罪学で副専攻は心理学という形を目指していましたが途中から専攻と副専攻を入れ替えました。

苦労のわりに実りが少ないのも心理学の特徴で、多くの人間が専攻しているにもかかわらず就職口は少なく、大学卒業程度ではほぼ心理系には就職できません。ですので、大抵の卒業生は心理とはあまり関係のない職に就くか、修士課程もしくは博士課程へと進んでいきます。

日本では心理学部卒業=カウンセラーになるという方程式がよく当てはまりますが、アメリカでは心理士とカウンセラーは別の職業です。大抵の場合、心理士は心理アセスメント等を行いクライエントの病状や状況の把握をし、カウンセリングはカウンセリング学部を卒業したカウンセラーもしくはソーシャルワーカーが担当します。もちろん、心理士がカウンセリングを行ってはいけないという規定は無く、カウンセリングを行っている心理士もいますが、職業の分担化が進んでいるアメリカではやはり仕事を分ける事の方が多いです。これは日本とアメリカの大きな違いかもしれませんね。他にも心理学部卒業生は研究所に入ったり、会社の消費者リサーチチームに入ったりとカウンセリングとは離れた業務に就く方も多く、どちらかと言えば収入が少なく、その割にはストレスの多いカウンセリング業務に就く人間は少ない傾向にあります。

注:この内容は全米全てに当てはまるわけではありません。アメリカは州ごとに法律も違えば、環境も違います。州によっては心理士以外にはサイコセラピーという言葉を使う事が出来ない所もあります。

ココロ夢カウンセラー
山名和樹

HP: http://www.knhclinic.com

Mail: yamana@knhclinic.com

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