第八回 日米資格・免許制度相違

こんにちは、カウンセラーの山名です。今回はカウンセリング業界での日米資格・免許制度の違いについてお話します。

多くの方がご存知の通り、日本ではカウンセラーに明確な資格・免許がありません。ですから、どこの誰でもカウンセラーを名乗る事が出来るわけです。このような状況が長く続いた結果、様々なカウンセラー養成校が作られ、様々な資格が蔓延る事となりました。来年からはカウンセリングも保険対象になるという噂がありますが、もしも本当にその条項が制定された場合、それら養成機関を出たカウンセラー、また僕のように諸外国でカウンセリングの教育を受けた人間達をどう扱っていくのか非常に興味深いところではあります。

日本でカウンセリングの免許に一番近い資格として臨床心理士があります。世の中で一番カウンセリングが実践されている場、病院や最近では学校でカウンセリング業務を行う上で、この資格が無いと働けないといっても過言ではないでしょう。上記に記しました保険も、もしも条項が制定されたらこの資格を持っているカウンセラーのカウンセリング業務に適用される事はほぼ間違い無いと思います。ただ、この資格が免許になるのかというと難しいと思われます。何故なら、この協会が定めている資格習得に関して「指定校制度」(臨床心理士受験資格を得る為には協会が指定した大学院を卒業している必要がある)が国家資格として定める際に適切ではないという考えからです。国が大学院として認可しているのに、協会がそれを認めない為にそれ以外の大学院を卒業した人間は国家資格試験を受けれないというのは論理的におかしいですからね。

その他にも保険が適用されそうな資格として産業カウンセラーと精神保健福祉士がありますが、産業カウンセラーはキャリアに関する相談を扱う事が多く、精神保健福祉士はソーシャルワーカーの世間的な認知度の低さがどう反映されてしまうのか?といった所でしょうか。

話が大分脱線してしまいましたが、とりあえずここで言えるのは、日本のカウンセリング界で資格は免許ではない為何の効力も発揮していないという事です。病院や学校等の特殊機関で働きたい人間であれば資格はある程度有効だと思いますが、僕のように病院に通っている患者を病院以外の場所でカウンセリングしてしまえば済む話です。また、学校へ通う生徒へのカウンセリングも最近では学校外でカウンセリングをするという事で対処しています。結局その場でカウンセリングをしなければ、問題はありません。

それでは、アメリカではどうでしょう。アメリカではまず個人で開業カウンセラーとして働くのに LPC (Licensed Professional Counselor) (プロカウンセラー免許)、 MSW (Master of Social Worker) (ソーシャルワーク修士)等の免許、学歴が必要です。それら免許の無い人間がカウンセラーを名乗り開業してしまうと法律で裁かれてしまいます。ですが、機関によっては資格、免許が必要なくカウンセリングを行う事も出来ます。その代表的な場所が病院です。病院でカウンセラーとして採用されれば、資格、免許無しにカウンセラーとして活動する事が出来ます。もちろん病院内なので保険は適用されます。ただ、採用の際に重要なのは学歴です。以前のコラムに書いたと思いますが、アメリカでカウンセラーを名乗るには心理諸学で最低修士号を取得している必要があります。そう考えるとアメリカの方が学歴社会です。それらカウンセラーが免許や資格を取るのは将来の開業を見据えてや給料 Up の為なのです。ちなみに僕が働いていた分野のスクールカウンセリングですが僕の時まではカウンセリング学で修士号を習得し専門分野がスクールカウンセリングであった場合は 1 ・ 2 年の内に免許を習得するという条件で働けましたが、それ以降は採用の際に免許を持っている事が全米で必須事項となりつつあります(アメリカでは州によって法律が違います)。

アメリカのように免許と学歴を絶対的な基準とするか、日本のように資格を業界の中心として扱えば良いのか、どちらが良いのかは分かりませんが(僕はアメリカ式の方が基準がしっかりとしているので好きですが)、日本は資格は資格、免許は免許としっかりと定める必要のある時期に来ている事は確かな事だと思います。

ココロ夢カウンセラー

山名和樹

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