
精神科医とカウンセラーの違い
ブームという事もあり、最近テレビや雑誌等で多く取り上げられているカウンセラーと精神科医。しかしその両者の違いを知っている方は意外と少ないようです。
精神科医とカウンセラーの大きな違いは薬を処方できるか出来ないかにあると思います。精神科医は診察をもとに薬を処方する事が出来ますが、カウンセラーは医者ではないので薬の処方は出来ません。ですので、カウンセラーは処方箋を書く事も、もちろん出来ないわけです。
それではカウンセラーが出来て、精神科医が出来ないことは一体何なのでしょうか?それはカウンセリングです。もちろん、精神科医の方の中には医大卒業後にカウンセリングの重要性を感じ、さらに大学や専門機関でカウンセリングに関する教育を詰まれた方もいますが、基本的には精神科医の方はカウンセリングに関する知識はありません。
僕は西洋でカウンセリングの教育、経験を積んだ者なので、日本の現状についてはあまり述べられませんが、アメリカでは精神科医とカウンセラーの連絡は密で、色々なプロフェショナルが情報を交換し合いながら一人のクライエントをサポートしていくシステムが整っています。精神科医のいる所にはカウンセラーがいて、カウンセラーがいる所には精神科医がいる、もしくは直ぐに連絡が取れる体制が出来ています。つまり、何でもかんでも自分がやる!のではなく、あくまで自分が持つプロフェッションに徹し、出来ない事はそれが出来るプロフェッショナルに任せるのです。
クライエントが子供の場合はそのシステムの中にスクールカウンセラーも含まれ、スクールカウンセラーを中心にシステムが動きます。メンタルヘルス・カウンセラーはスクールカウンセラーからクライエントに関する情報を仕入れ、精神科医もスクールカウンセラーに意見を求めたりします。スクールカウンセラーもクライエントに関して何か気づいた点やカウンセリングサービスに関するリクエスト等がある場合はメンタルヘルスカウンセラーに連絡を取ります。
残念ながら、今の日本にはそのようなシステムはまだ出来上がってはいないと思います。教育、経験の無い自称カウンセラーが多く蔓延り、教育・経験のあるカウンセラーも臨床で食べていくのに必死なので、なるべくクライエントに逃げられまいと、他のカウンセラーとの連絡を疎かにし個々に動き、精神科医も「お金になるから」と出来ないカウンセリングをしたり、自分が懇意にしているカウンセラーにだけクライエントの情報を伝えたりと、メンタルヘルスの世界には多くのエゴが見え隠れしているように思います。また、スクールカウンセラーも社会的地位が低いのでアメリカのように子供に関するメンタルヘルスシステムの中心になって動くという事はまだまだ出来ません。
アメリカのシステムが一番!とは言いませんが、テレビや雑誌が取り上げているように、これからは心理的な問題を抱える方が数多く出てきます。それに対応できるような、一人一人のクライエントをそれぞれのプロが一丸となってしっかりとサポートしていくシステムが日本でも早く構築されるよう願うばかりです。
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