カウンセリング 相談ルーム KNH心療所

カウンセリングプランについて

*ここに書かれている内容はカウンセリングだけではなく、あらゆるコンサルティング、アドバイジング活動のことも含めますが、便宜上カウンセリングで話が進められています。

皆さん、カウンセラーに相談する時に申し込んだら直ぐにカウンセリングが受けられると考えていませんか?もちろん、問題によっては直ぐカウンセリング、直ぐ解決ということもありますが、基本的にはそう簡単にはいきません。カウンセリングを始める前の流れとしては、まずクライエントの情報集め、そしてプランの作成があります。

このカウンセリングプラン。作成できない自称カウンセラーがあまりに多いです。何故かと言うと単に知識が無いからです。知識が無いのでどういう療法がそのクライエントの問題に効果的なのか分からない。だから、自分が知っている1・2つの心理療法で(それも本当に理解しているのか怪しいですが)何とかしてしまおうとするのです。

クライエントもなるべく早く問題を改善してほしいのに、長くカウンセラーから色々な事を質問されるだけで何時まで経ってもカウンセリングが始まらず、プラン作成のために待たされたりするのを嫌がり、直ぐにカウンセリングをしてくれる自称カウンセラーの所に行き、結果問題はまったく改善せずに「カウンセリングは効かない。」と判断を下してしまい、カウンセリングを受ける事を止めてしまう。実に悲しいことです。

カウンセリングプランは今後のカウンセリングがどういう方向性を持って進められていくのかを決定する重要な物です。初期の時点でしっかりとしたプランを作成する事によって、カウンセリングの速度も速まり、一つ一つのセッションの効果も高まります。逆にプランが無いと、行き当たりばったり、その場しのぎのカウンセリングになったり、カウンセリングが迷走してしまいます。

それではカウンセリングプランとはどういう風に書かれているものなのでしょうか?Linda Seligman著の「Diagnosis and Treatment Planining in Counseling Third Edition」を参考にして具体的に見てみましょう。

カウンセリング目的

あなたのカウンセリングによってどういう結果をクライエントは得られるのか?またどういう効果が期待されるのか?を具体的に述べます。通常は短期・中期・長期的ゴールに分けられたゴール設定をします。例として

短期ゴール

1.カウンセラーのサポートにより最低週に1−2時間程度の外出ができるようになる

2.カウンセラーのサポートにより人との会話を最低週に一人以上と15−20分程度続けて出来るようになる

中期ゴール

3.カウンセラーの最低限のサポートにより最低5日に1−2時間程度の外出が出来るようになり、その外出によって何かしらの心理的利益・幸福感を得られるようになる

4.カウンセラーの最低限のサポートにより人との会話を最低5日に一度一人以上と15−20分程度続けて出来るようになり、その会話の中で自分が何かしらの心理的利益・幸福感を得られるようになる

長期ゴール

5.サポートなしに最低3日に一度1−2時間程度の外出が出来るようになり、自分から進んで、心理的利益・幸福感を満たすよう勤める

6.サポートなしに最低3日に二人以上と15−20分程度の会話を続けてできるようになり、その相手との会話を楽しみ心理的利益・幸福感を得られるように勤める

上記のように具体的に何分と定めた方が明確です。「心理的利益・幸福」は曖昧ですが、何度も何度も書き直したりしない為の僕なりの工夫です。「外出により買い物を楽しむようになる」と定めたのにクライエントから「パチンコを楽しんでいるんだけど」と言われたらその度に書き直さなければなりませんから・・。重要な所だけ具体的に書き、他は拡大解釈できる文を書くのがコツですかね?後に説明しますが、目的毎につけられた番号には意味があります。期間ゴール毎に1からつけるのでは無く、期間で限定せずに目的毎に連番でつけるようにしましょう。

査定

問題や悩みが改善したと、どうやって判断するのですか?テスト結果ですか?観察による判断ですか?それとも、クライエントの報告ですか?しっかりと記しておきましょう。1つだけに絞らず2・3つの査定基準を設けた方がより正確な査定になります。

カウンセラー

誰がそのクライエントを受け持つのですか?何故その人なのですか?ちなみに僕は

「カウンセラー山名和樹は4年間、ウエストヴァージニア州マーシャル大学学士過程心理学部で教育を受け、後に3年間のカウンセラー教育を同大学修士課程で受けており、最終学歴として修士号を習得している。その修士課程の間10時間のスーパーバイズド個人カウンセリングセッション、10時間のスーパーバイズドグループカウンセリングセッション、600時間のスクールカウンセリングインターンシップを終了している。また110時間の NLP プラクティショナートレーニング、110時間の催眠療法士認定トレーニングをアメリカ、ウエストヴァージニア州ハンティントン市でウイリアム・マクドエル博士の下受けており、その認定資格を授与されている。2004年からインターネットを中心としたカウンセリングを始め、それら媒体を使ったカウンセリングでの臨床経験を積んでいる。また、カウンセラー山名和樹は1年間サウスカロライナ州、サルーダ小学校でスクールカウンセラーとして勤務した経験もある。それらの教育、臨床経験、およびクライエントの指名を考察した結果、カウンセラーは山名和樹28歳男性とする。 」

と大体書いています。

場所

どこでカウンセリングを行うのですか?あなたのカウンセリングルームですか?そうならば、しっかりとルームの住所も書きましょう。

介入

ここの項目こそが、まさにカウンセリングプランの目的と言えるでしょう。どういう療法を使ってあなたはこのクライエントを改善へと導いていくのですか?来談者中心療法、認知行動療法、催眠療法、ゲシュタルト療法、箱庭療法、何でも良いですが、先に記述したカウンセリング目的にしっかりと見合ったカウンセリングを行いましょう。その為にはもちろん本や論文を引っ張りだしたりする必要があります。一つの療法で複数の目的を満たすのが理想です。例えば

ー 認知行動療法により、クライエントの外出意欲を高める (1.3.5.(治療目的に振り分けられた番号))

ー ガイダンスカウンセリング(教育的カウンセリング)によりクライエントのユーモア、コミュニケーション技術等の基本的社会技能を高める (2.4.6)

ー 実在的療法によりクライエントの自己価値再発見をサポートし、自尊心高揚を促す (全て)

ー 来談者中心療法技能を使いクライエントとの親密な関係を作る (全て)

ここをしっかりと書く事によりクライエントは今、どんな事をされているのか分かるわけです。また、カウンセラーも迷走せずに、どの技法を使いどういう方向に進んでいくのか明確になります。

重要性

どういうスタイルのカウンセリングを行うのですか?指示的ですか?非指示的ですか?クライエントの考察を促すのですか?それとも、ガイダンスカウンセリングのように教育的なものですか?カウンセリングは何に焦点を当てられて行われるのですか?クライエントの過去ですか、現在ですか、それとも未来ですか?また、あなたが行うカウンセリングにはどういった危険性が含まれていますか?問題が起きた時にどう対処するのですか?そして、問題が起きないようにどういう予防をするのですか?「まったくもって問題無しで安全!」は嘘です。どのような行為にも危険性は含まれます、特にカウンセリングのように人の一番繊細な部分に触れる行為には多大な危険性を含んでいます。例えばあなたの間違った誘導により、クライエントの問題の深刻化や死などです。「そんな事を書くとクライエントがお金を払ってくれる前にいなくなるよ〜」と思われるでしょうが、インフォームドコンセントの観点から言ってもそれら危険性をクライエントに対して明確にする必要があります。お金の事だけを考えず、クライエントの事を第一に考えて、考えられる危険性それへの対処法をしっかりと明記しましょう。

人数

カウンセリングに関わる人数は何人ですか?精神科医やあなたのスーパーバイザーも含まれるならちゃんと人数にいれましょう。

適時性(タイミング)

カウンセリングはどれくらいの頻度で行われるのですか?また一回のセッションは何分ぐらいですか?基本は1セッション45−50分程度です。

期間

カウンセリング目的の全てを満たすのにどれぐらいの期間がかかりますか?どれぐらい頻繁にセッションは行われるのですか(週に1回等)、また何回程のセッションが必要ですか?基本として短期間カウンセリングで8−20回、中期間カウンセリングで20回以上、長期間カウンセリングは1年以上ですが長期間カウンセリングはまれです。1年以上、言われた通りカウンセリングを受けても問題が全然改善しないようなら、そのカウンセラーの腕を疑っても良いと思います (もちろん問題によっては長期間のカウンセリングが必要な時もありますが)。「私はしっかりとクライエントの話を聞き、長い時間をかけて行っていくのがモットーですのでカウンセリングは1年以上かかります。」という方。クライエントはお金を払ってあなたの所に来ているのです。そのお金は病気さえなければ他の事に使えたはずのお金です。なるべく早く元気になってもらい、カウンセリング以外の事にお金を使ってもらえるようになる事がカウンセラーの願いであり存在価値ではないですか?

薬物療法

クライエントが現在服用している薬、もしくはその病気に対して有効な薬の名前、効果、服用に際しての注意事項、そして副作用を明記します。「薬のことなんか分からないよ〜」という方。しっかりと勉強しましょう (と言っても今は簡単にそれらの情報は手に入りますが)。クライエントが何か変わった症状を訴えた時それは心理的なものによるのか、それとも副作用によるものなのか判断する基準になります。薬剤師程の知識は必要ないですが、最低限の知識は身につけましょう。

その他のサービス

あなたがこれから行うサービス以外にどういったサービスが必要ですか?また、それらサービスは何時、どこで、誰にどれぐらいの期間提供されるのですか?例えば

このクライエントは個人カウンセリングを半年程続けた後、当KNH心療所が提供する週2回、計15回程度のエンカウンターグループへの参加が推奨される。そのグループでクライエントは自分の感情を共感してくれる仲間を見つける事ができ心理的孤独感から解放される。またグループ仲間との会話の中でガイダンスカウンセリングで学んだ基本的社会技能を実践する機会を得る事ができる。

もしも、推奨されるサービスをあなたの下で提供できないのならば、その旨もしっかりと明記しましょう。その結果、クライエントが他のサービスを提供できるカウンセラーの下に移ってしまっても、それは仕方の無い事です。僕達の願いはあくまでクライエントの早期問題解決ですから。

予測

最後にあなたの見解を述べましょう。このクライエントはあなたのカウンセリングを受けることにより改善するのですか?それとも、カウンセリングでの効果は期待できないのですか?また、何故あなたがそう予測するのか理由も明記しましょう。「絶対改善する!」と言いたいところですが、世の中そこまで甘くはありません。それに、そう言い切ったのにある程度期間がたっても改善しなかったら後々問題になります。「改善する!」と言うなと言っているわけではありません。自分の経験から来る考察、文献、クライエントのカウンセリングへのモチベーションや環境等全ての情報を分析し、客観的に結論を出しましょう。

サイン

カウンセリングプランの最後にあなたのサインをして完成です。あなたの名前の横に資格と日付もしっかりと明記しましょう。ちなみに僕の資格は

山名和樹/M.A

です。M.AはMaster of Artsの略で修士号を表します。僕は基本的にサインには催眠療法士やNLPプラクティショナーとは書きません。何故なら、単純に世界的に一番信用されているのはやはりM.Aの学位ですから。

カウンセリングプランは以上の事を明記するので、1週間程度かかってしまうのです。このページをご覧になられた方は何故カウンセリングプランが難しく、そして重要なのかご理解いただけたはずです。クライエントにとってはカウンセラーが提出するこのプランを見る事により、そのカウンセラーの腕が測れるというものです。「数回のセッションでよくなる!」等という宣伝まがいの言葉に騙されず、正確にそして客観的・論理的にプランを書いてくれるカウンセラーを探しましょう。また、カウンセラーを名乗っている方でこれを書けない方は専門機関や大学でしっかりと勉強し直しましょう。そうでないと、もしもクライエントにあなたの方針について訴えられたりした時にあなたの治療方針の意図の不明確、インフォームドコンセントの欠如で全財産+全社会的信用を持っていかれてしまいますよ。今はカウンセラーの知識は上がっていないのに、クライエントの知識はどんどん上がってきています。「訴訟なんて起きないだろう。」なんてたかをくくっていると後に取り返しのつかない事になりかねません。カウンセリングプランはクライエントのカウンセリングに対する理解を深めるだけではなく、カウンセラーの仕事の円滑化、そして自身の防衛の為でもあるのです。

* 当心療所では1ヶ月メール相談し放題、その他サービスに3回以上申し込まれた方、もしくは1ヶ月以上のカウンセリングを受ける意思を示された方(料金の支払いをもってその意思の確認とする)にカウンセリングプランを作成しています。プラン作成には大体1−2週間程度かかります。

カウンセラーコーナー

カウンセリングプランについて - 精神科医とカウンセラーの違い - 経過報告書 - アメリカスクールカウンセラーの一日 (午前編) - アメリカスクールカウンセラーの一日(午後編)ストレスマネジメント

カウンセリング 相談ルーム KNH心療所 ホームへ

カウンセリング 相談ルーム KNH心療所

カウンセリングルーム: 〒103-0012 東京都中央区日本橋堀留町 1-3-16 S-1 日本橋  

事務局: 〒350-0247 埼玉県坂戸市西坂戸 5−18−12 2F

TEL 049-227-9760  Mail: admin@knhclinic.com

電話受付時間: 午前10時 ― 午後9時まで (日曜休診

カウンセリング受付時間・ルームまでのアクセスマップ