
喧嘩は絶対に反対です
小学校カウンセラーが扱うケースの多くは喧嘩です。僕もスクールカウンセラーをしていた時に数多くの個人カウンセリング、グループカウンセリング、クラスルームカウンセリングを行い、その意味の無さ、相手をどれだけ傷つけるか等を話しました。大抵、喧嘩は学校外での口論から始まり、学校でどんどんとエスカレートし、休み時間についに暴力に発展するというのが典型的なパターンです。幸いにも多くの子供は素直です。とことん話し、説明すれば暴力の意味の無さ、空しさを分かってくれます。しかし、一番の問題は家庭です。大抵僕達スクールカウンセラーが生徒達に
「暴力は何も生みません。人を傷つけるだけです。絶対にやめましょう!」
というと
「でも、お母さんが、誰かが叩いてきたら、叩き返しなさい!って言ってたよ」
と返してきます。
もちろん、家に電話をかけて、その事実を確認し、話し合うわけにもいかないので
「学校ではね、そういう規則ですから、お母さんがたとえそう言っていても絶対にしないで下さいね。」
等と言って大抵はその場をしのぎます。
このエッセイをご覧の皆さんは一体どういったご意見をお持ちでしょうか?誰かが殴ったら、殴り返せという意見に賛成でしょうか?考えて見てください。そういう考えがあるからこそ、世の中から戦争は消えないのです。どこかの国が攻めてきたから、攻め返せ。こちらの国民が殺されたから、殺し返せ。話が飛躍し過ぎだと思われますか?しかし、あなたのお子さんが国の指導者にならないという保障は無いのです。
たとえ、国の指導者とならなくても、誰かが何かをしてきたら、仕返しをしなければと考える子供が育っていきます。今とりあげられている「切れる若者」はまさしくその例ではないでしょうか?誰かが自分に何かしてきたから、仕返しをしなければ!彼らはそう教えられ続け、実際にそれを行動に起こしているだけではないでしょうか?そうです、「切れる若者」は他でもない親がそう教え、育てたのです。
では、誰かが暴力を振るってきたら一体どうすればよいのでしょうか?下にそれへの対処法の一部を挙げてみました。
ー 先生や親等の信用できる大人に言う
ー 暴力を振るう子になるべく近づかないようにする
ー 自分が信用できる仲の良い友達と一緒にいるようにする
ー 自分の気持ちをしっかりと相手に伝える
色々ありますよね。つまり、暴力を暴力で返す以外にも色々な方法があるわけです。それでは一つ一つの対処法について簡単に説明しましょう。
ー 先生や親等の信用できる大人に言う
自分で問題を解決しようとしても、どちらも同じ力を持った者同士です。簡単に解決するわけがありません。そんな時は、自分達より力のある人間の力を借ります。世の中でも、何か悪い事をしたら、その人間より力のある者から社会的制裁をくわえられるのはルールです。そのルールを小さい時から教えるという意味でも、この解決法を子供に推奨しましょう。
ー 暴力を振るう子になるべく近づかないようにする
「友達百人出来るかな♪」という歌がありますが、実際には無理です。自分が嫌だなと思う相手には近づかない。そうする事により、自分がトラブルに巻き込まれる必要もなくなります。また、皆がそれを実践する事によりその暴力を振るう子は段々と友達が少なくなり、自分の行動の愚かさに気づくようにもなります。
ー 自分が信用できる仲の良い友達と一緒にいるようにする
自分が一緒にいて、楽しい、安心できる、そんな子と一緒に行動をするように薦めましょう。暴力を振るう子は実はとても弱虫です。ですから、暴力を振るいたい相手が他の人と一緒にいると、しり込みをして近づいてこなくなり、別のターゲットを探し始めます。
ー 自分の気持ちをしっかりと相手に伝える
暴力を振るう子の多くは「暴力は冗談になると思っている」という事実をご存知でしょうか?彼らは誰かを傷つけようと思ってやっているのではなく、「からかっている」という感覚で人を叩くのです。そんな子に「僕は叩かれて、本当に痛いと思うし、嫌な気分にもなるので、やめてくれない。もしも、君が暴力を振るわなくなったら僕達良い友達になれると思うのだけど。」等とはっきりと自分の意見を言えるようにしつけましょう。元々自分が人を傷つけているという感覚が無いため、それを聞いた多くの子は自分の行為が「暴力」だと知り、行動を正そうとします。
この自分の気持ちを意見をはっきりと述べる会話法を英語では I statement と呼びます。つまり、主語である I をしっかりと強調して発言しようというもので、現在アメリカの小学校、中学校カウンセラーでこれを生徒に教えていないカウンセラーはいないのではないかという程、広く普及している会話法です。I statementには2種類あります。
- I feel mad when you _______________. Please, ______________
私はあなたが __________をした時に、怒りを感じます。どうか___________してください。
- When you ____________, I feel ________________. I need for you to _____________________
私はあなたが_______した時に ________と感じます。どうか________してください。
この会話法での重要なポイントは自分の気持ち(怒り、悲しみ等)をはっきりと相手に伝えている所です。「やめてよ〜」や「嫌だよ〜」ではしっかりと相手に自分の気持ちは伝わりません。自分が相手の行動によりどう感じたのかを伝える事が「はっきり」と伝えるという事です。
この I statement は多くのリサーチもその有効性を立証していますので、ぜひ家で練習をし、実際の場面でお子さんに使うように薦めてください。
暴力は暴力を生むという言葉があります。逆に言えば、暴力以外の解決法は暴力以外の解決法を生むという事でもあります。ぜひ一度、家庭で暴力についてお子さんと真剣に話し合い、賢い問題解決、回避法をご指導下さい。
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キャラクター教育 - 怒る事より褒める事、褒める事より伝える事 - 喧嘩は絶対に反対です


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