第十七回 中学校初日 |
中学校カウンセラーはこの業界で一番ハードだと言われています。思春期を迎えた子供達へのスクールカウンセリング活動は一筋縄ではいかなく、この年代辺りからちらほらとアルタネティブスクール(一般の学校では扱いきれなくなった生徒が送られる学校の事)の名を耳にするようになります。 僕がインターンをしていた中学校はカマックという名のところで、僕の住んでいたHuntington市の中でも荒れていることで有名な学校。それを嫌って少々お金に余裕のある家庭は子供を私立の学校に通わせているところもあるぐらいです。何はともあれ、そうゆう学校だからこそカウンセラーが必要なのだと自分の気を引き締めて、学校の門をくぐり一階の事務所でサインインした後、2階にあるカウンセラー室へと歩を進めました。カウンセラーの部屋は大抵狭いものなのですが、ここの学校は一つのクラスルームそのままを一人のカウンセラーが使っているので一人ではもったいないほどスペースに余裕がありました。その部屋の中に入ると待っていたのはカウンセラーのサックストーン先生。余談ですが、アメリカの学校カウンセラーは女性が多い。というより、学校で働く先生は圧倒的に女性が多い。何故かというと、給料は安いが働く時間が決まっているので家事と両立をするにはうってつけの職業だからだそうです。やはり、何だかんだ言ってアメリカもまだまだ女性は家事、男性はお金を家庭へ持ってくるという風習は根強く残っている様です。 「部屋の中の隅にある机はあなたのよ。」と紹介され(高校のオフィスは狭かった為、自分の机などありませんでした。)、そこに荷物を置くとサックストーン先生から中学校カウンセラーの仕事についての説明が始まりました。サックストーン先生はカウンセラーとしての仕事の他にサイコロジーコーディネーターという行動に問題のある生徒、学力に問題のある生徒、または学業障害のある生徒への対応をする会議の責任者でもあり、日の多くの時間はその会議のセッティングに追われると言う事でした。もちろんそれだけではなく、生徒へのカウンセリング活動、8年生(日本の中学2年生。WV州では中学は6年生から8年生までです)の高校へ行く準備、成績の管理、そしてお昼ご飯時のカフェテリアでの生徒の監視等、ありとあらゆる仕事をこなしていました。 サックストーン先生から仕事内容の説明を受けていると、一人の女の子がカウンセラー室に駆け込んできてこう言いました「私の友達が妊娠したらしいの。」今日が仕事初めの僕にはあまりに唐突すぎる内容。ぽかーんとしているとサックストーン先生はその女の子にあれこれと聞いた後「その子(妊娠したという)を校長先生のところに連れてくるように。」とその駆け込んで来た子に伝え、僕たちはさっそく校舎の一階にある校長先生の部屋に行きました。校長先生にサックストン先生が事情を説明していると間もなく、その妊娠したと噂されている女生徒が部屋に入ってきました。彼女が僕の方をちらっと見て警戒しているように見えた為(校長先生の部屋にアジア人がぽつりと座っていたら当然ですね。)軽く自己紹介をすると、サックストーン先生が噂の真相について質問を始めました。彼女はびっくりした表情でしたが、とりあえず答えは「NO」という事で皆一安心。話はそこからどうやってこの噂を鎮めるのかという議論になり、4人で話あった結果とりあえず彼女自身が噂をつきとめて鎮めるという事で一件落着。初日からの事件。中学校は思春期を迎えた子供達が相手の為、色々と大変そう。。どうなる、僕のインターン。 |