第二十四回 体育館にて (上)

「何時もオフィスにいないで、授業を見学して来なさい!クラスの中での生徒の行動を知るのもカウンセラーの仕事の一つよ!」と朝一番にサックストーン先生のお叱りを受けた僕は「それも一理ある。」と手始めに体育の授業を見学に行きました。ウエストヴァージニアの冬は零下何度にもなるほどの極寒なので、冬の体育の授業は体育館で行われます。僕が見に行った授業は丁度僕の好きなサッカー!「僕も仲間に入れてくださ〜い。」という気持ちを押し殺しつつ、とりあえず体育館にあるベンチに腰をかけて見学していました。

アメリカの体育の授業で驚いたのが、皆私服で体育をします。体育着などありません。ジーパンや普通のズボンであちこち走りまわります。「汗かいたら風邪引くぞ〜」と思いながらもこれも文化の違い(?)と勝手に解釈していました(やはり、普通の格好でスポーツをするのはあまりよくないですよね・・)。これまた余談ですが、体育、音楽、美術は成績が出ません。だからといってサボる生徒はいないのですが、これもまた文化の違いですね。

話を戻し、ペンチに座りながら子供達の体育の様子を見ていると、準備運動を終えた生徒の数人がベンチに腰掛始めました。どうやら、怪我などの理由でサッカーに参加しない生徒達のようです。その中の一人の女の子が僕の事を見つけると近寄って来てこう尋ねてきました「あなた、大学生?」僕は正直に「そうだよ。まあ、正確に言うと大学の一つ上の大学院生なんだけどね。」と答えると、彼女は「あなた、サックストーン先生の所で働いてる人でしょ。私、この前薬で警察に補導されて、今度裁判にいかなきゃならないんだ・・」と切り出してきました。僕は平静を装いながら「そうなんだ。」なんて答えましたが、正直「びっくり!」です。「さすがアメリカ、やることなすことの年齢が早い!」等と考えていると、彼女は「私今回のことですごく反省してるんだ。私刑務所何かに行きたくないの。。。」と説破詰まった感じだったので、さらに話を聞いてみる事にしました。

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