第二十七回 兄弟喧嘩 (上) |
今回は当校で知らない者はいなかった、ある仲の悪い双子の兄弟のお話です。その二人は普段はカフェテリアで一緒に食事をし、クラスにも一緒に行くほどの一見仲の良い兄弟だったのですが、その一方、月に何度となく喧嘩するほどの構内では有名な喧嘩の多い兄弟でもありました。彼らの喧嘩は所かまわずで、ある日は廊下、ある日はクラス中、ある日はバスの中と一度カッとなったら場所をわきまえません。 僕がその二人の喧嘩に初めて遭遇したのは、ある日、オフィスの中で何時もどおりの雑用をしていると、廊下の方から何やら騒がしい声が聞こえてきました。僕が「休憩時間に、また生徒が廊下で騒いでいるな。」と思い、先生たちが注意するだろうと雑務を続けていると、一人の生徒がオフィスに駆け込んできてこう言いました「喧嘩が始まってる!早くきて〜」。その時、サックストーン先生は丁度席を外していて、オフィスには僕しかいません。とりあえず、廊下に出てみるとその喧嘩している二人を囲むように人だかりが出来ています。その人ごみを掻き分けて輪の中に入っていくと、二人の兄弟が何やら言い合いをしています。中学生と言えどアメリカ人なので体は大きく、近くで見ていて迫力があります。 周りには先生方もいて「やめなさい!」とか「早く、授業に行きなさい!」とか「男の先生を呼んできて〜(前述しました通り、アメリカの学校は圧倒的に女の先生が多いです)」と叫んでいますが、二人は一向に止めません。そうこうしている内に段々と喧嘩はエスカレートしいって、ついには一方が相手の胸倉を掴みました。僕も「これはいけない!」と思うが早いか行動が早いか、二人の間に飛び込んでなんとかその二人を引き離しました。そのうち、他の男の先生も来たので二人は喧嘩を止め、それぞれのクラスに戻っていきました。 |